<判例>コインパーキングに設置された看板の「不正利用 罰金5万円」の記載によって、違約金の合意が認められた事例

平成25年8月27日 岡山地裁判決

コインパーキングのフラップ版を乗り越え、料金を支払わずに出庫したという事案です。

当該コインパーキングには「不正利用の場合は、罰金5万円」との表示がされていました。裁判所は、これが違約金の合意として有効であると認め、5万円の支払いを命じました。

その根拠は、看板に見やすく罰金の明示があることによって、駐車場事業者は、不特定多数に対して、申し込みをしており、利用者は、それを承諾して利用しているから、違約金の合意が成立しているというものです。

 民法改正後は、このような時間貸し駐車場に関する契約は、定型取引に該当するので、定型約款の適用があると主張することも考えられます。

 5万円の金額については、消費者契約法の問題がありますので、高額になると認められないと言うこともあります。

 ちなみに、この岡山地裁は、控訴審ですが、原審の簡易裁判所では、お金を支払って出庫したと認定されて、請求棄却になりました。

原審が、利用者がお金を支払ったと認定した理由は、防犯カメラのビデオ映像をみて、利用者が精算機の前で40秒何かやっていたこと、コインパーキングのフラップを無理に乗り越えた様子がないことを理由だったと思われますが、岡山地裁は、精算機の記録上、同じ日時に料金が支払われた記録がないことを理由に、不正出庫だったと認めました。