30条

会社法第2編 株式会社>第1章 設立第2節 定款の作成
29条  31条

会社法30条

  1. 条文
  2. 解説
  3. 関連項目

1 条文

(定款の認証)
第30条 第 26条 第1項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。
 前項の公証人の認証を受けた定款は、株式会社の成立前は、第 33条 第7項若しくは第9項又は第 37条 第1項若しくは第2項の規定による場合を除き、これを変更することができない。

2 解説

point

  1. 株式会社の成立前は定款が変更できないとされる趣旨はなにか
  2. 例外的に定款が変更される場合

趣旨

本条が 株式会社の成立 前には定款の変更ができないと定める趣旨は、会社法の設立規制の潜脱を防ぐためである。

例外

以下の場合には株式会社の成立前においても定款が変更される。

  1. 裁判所の決定により 変態設立事項 が変更された場合( 33条 7項)
  2. 1.で変更された事項についての定めを廃止する場合 ( 33条 9項)
  3. 発行可能株式総数 の定めを設けあるいは変更する場合( 37条 1項、2項)
  4. 創立総会による定款の変更( 96条 )

募集設立の場合

募集設立の場合、設立時募集株式 の申込者の保護のため、払込期日または払込期日の初日のうち最も早い日以後は、発起人は、前記1.および2.による定款の変更ができない( 95条 )。他方、創立総会においては、その決議によって定款の変更ができる( 96条 )。

ただし、旧法下の判例は、変態設立事項 に関わる厳重な規制は、会社資本の充実を期して会社債権者を保護し、併せて他の株主の利益保護を目的とするものであるから、創立総会 の変更権は、原始定款記載の 変態設立事項 が不当な場合に、これを監督是正する立場から縮小又は削除するためにのみ行使されるべきで、付加・拡張できないとしている(最判昭和41年12月23日)。

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